【地方から東大への挑戦】カメの歩み

【地方から東大への挑戦】カメの歩み

はじめに

「地方出身かつ女子」の私は、東大内や特に所属する理科三類では少数派。

この記事ではそんな私が東大に入るまでの体験を書かせていただきます。
将来について目標や志望はあるが高すぎるのではないかと不安を感じている方の助けになれば幸いです。

“憧れ”としての東大

祖父母の家の裏山を駆け回って過ごしていた幼少期。東京大学は文字通り東京にある大学、というくらいの認識でした。

中学に入り先生方のお話を聞く中で、東大が日本でトップの大学だと知りましたが、自分が目指すという実感はないまま過ごしていました。

東大を志望に定めたのは高校1年の冬、文理選択の時です。古典や英語が好きで、かつ医学系の分野にも興味があった私は文理どちらを選ぶべきか悩んでいました。

そんな折に知った東大の前期教養課程の制度。

大学に入った後でも進路について考える余地があることに魅力を感じ、東大に行きたいと考えるようになりました。
教養課程の授業で古典や英語にも触れられるだろうと理系を選択し、医学に興味があったこともあり理科三類を目指すと決めました。

“目標”としての東大

東大志望を決めてから私はとにかく学校の先生に頼り、英作文の添削をお願いしたり各予備校が実施する東大模試の過去問をいただいたりしました。
首都圏より通える塾の選択肢が少ない分、高校の環境を最大限活用しようと考えたのです。

厳しい現実にも直面しました。特に高3の秋は理数が伸び悩み判定も出ず、理科一類に変えたらどうかと言われることも、また自分で思うこともありました。

そんな中で周りの人の存在はとても大きかったです。ある先生がかけて下さった次の言葉は受験を乗り切る支えとなりました。

「『うさぎとカメ』で、うさぎの目標はカメに勝つことだった。カメの目標はゴールに着くことだった。カメになろう。」

この言葉に自分のやり方でいいんだ、周りの人は気にしなくていいと背中を押してもらいました。
そして、挑戦して上手くいかなかった後悔より挑戦しなかった後悔の方が嫌だと考え、理科三類に出願しました。

もし私が首都圏の学校に通っていたら、成績面での理想と現実の差を過度に意識して志望を変えていたと思います。地方からの挑戦だったことが逆に「無茶」をすることを可能にしたのかもしれません。

地方と首都圏の違いとしてよく挙げられるものに「情報」と「環境」があります。

正直、情報量の違いはインターネットの発達もあり少なくなっているように思います。

一方で「環境」の違いを実感するタイミングは度々ありました。そもそも東大を志望する母数が文字通り桁違いですし、塾や参考書の選択肢に関してはやはり都市圏の方が種類も多く充実しています。

それでも自分のいる環境を生かし切ることで合格できると身をもって知ることができました。
よく言われる『どこにいるか、ではなくそこで何をするかが大切だ』という言葉は嘘ではないと私は思います。

“生活”としての東大

実際に東大生となって3ヶ月。念願の教養課程の授業は分野も多岐にわたり日々新たなことを知ることができています。

例えば英語の選択授業で「日本史を英語で読む」というものがあり、今までなかった視点から歴史を考えることができて興味深いです。
理系に進みながらこのような授業も受けられるのは東大ならではだと思います。

そして何より周囲の人が刺激に溢れています。
全国各地から多様な強みを持った人が集まっているので、日常の何気ない会話にも驚きや発見が度々あります。

厳しい局面でも折れずに目指してよかったと心から思える毎日です。

おわりに

最後まで読んでいただきありがとうございました。地方の皆さんが自分の環境をビハインドだと考えず将来を考える支えやきっかけとなれば嬉しいです。

FairWindでは地方の中高生の皆さんに向けた企画をオープンキャンパスに出展する他にも、夢を追うみなさんをサポートする様々な活動を行っております。
興味のある方は気軽にFairWindホームページを訪ねてみてください。

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